読むのも書くのも暇な人

考えていることや読んだものについて書いていきます。

人のせいにする鬼

鬼たちにされて嫌だったことをつらつら思い出している。

みな、判で押したように「人のせいにする人」だった。

やりたいことがあっても、自分で行動を起こすことはせず

「あなたが誘ったからやった」「あなたがすすめたから受け入れた」と

なぜかわたしに責任があるような環境を作ってしまう。

そうするために人に嘘をついたり、

わたしに無理やり肯定的な言葉を言わせようと迫ったりする。

そんなことをされるとその人すべてが受け入れられなくなり、

バーンとシャッターが下りてしまう。そして、とても傷つく。

 

「人のせいにする人」の中に、わたしは母の幻影を見ていて、

「お前のせいで離婚したくてもできない」

「子どもがいるから私の人生は不幸だ」

「お前が男じゃないからお父さんが家庭を顧みない」

「お前がお父さんをちゃんと愛さないからお父さんがお酒を飲んで暴れる」

「お父さんのような男と結婚してしまったことでお祖父ちゃんをがっかりさせてしまった」「お前がやりたいといったからやらせたのに結果を出していない」などなど

幼い頃から刷り込まれた呪いの言葉がリフレインしてしまう。

 

書き出してみて、いまだに一番胸がえぐられたのが、

「お前がお父さんをちゃんと愛さないからお父さんがお酒を飲んで暴れる」だ。

毎晩父が酔って暴れてケダモノのようになるのが、辛くて怖くて悲しかった。

深夜や翌日の激しい夫婦喧嘩を見るのも嫌だった。

父の飲酒は、父自身でさえも止められないのだから、母にだって、わたしにだって止められるはずがないのだ。やさしくしろ、感謝の気持ちを伝えろ、自制するよう言え、と何度強制されても、どうしても母の言うようにはできなかった。

そんなことを想像しただけで気持ちが悪かったから。

その通りにすれば、お酒は止んだのだろうか。

当時は頭がフリーズしてしまって何も考えられなかったけれど、今はそんなに言うなら

母がすればよかったのにと思う。

「本来なら妻がすべき」と勝手に母が思い込んでいる仕事を、自分がやりたくないからといって娘におしつけようとしてきた。そんな母にぞっとする。

もう会わないから本人には届かないけれど、母に伝えたい。

「お酒を飲んで暴れるのは父の問題。

それで体を壊すのも、怪我をするのも、本人の責任。

彼の孤独を埋めたいなら勝手に自分でやればいい。

子どもの私を利用するな」

 

次に「人のせいにする鬼」に出会ったら言えるだろうか。

「やるのもやらないのもあなたの問題。

メリットもデメリットもあなたが負うべきもので

わたしには関係ない。巻き込むな」

 

いつか、「人のせいにする鬼」に何を言われても

「わたしのせいじゃないし。この人おかしなこと言ってるなあ」って

笑える日が来るだろうか。