読むのも書くのも暇な人

考えていることや読んだものについて書いていきます。

生存戦略

 今日も朝から4のマイペースっぷりにクラッとする。何回言ってもゴミを床に捨てる、着替えの途中でふと見ると下着のまま踊っている、準備をせずに漫画を読んでいる、習い事は仲良しの子が行く日じゃないと行かないとごねる、登校班に遅れるよというと「遅刻はイヤー!」と泣き叫ぶ。。。

 

 これで、家の外では一切手のかからない子に変身するのがすごいなと思う。家の中でも聞き分けのよい子になってしまったら、それが当たり前になってしまって、わたしは4を精神的な親として頼り、支配してしまうだろう。そうならないための生存戦略だとしたら、人間ってすごい。わがままを言っていい親、と4に認識してもらっている時点でわたしは幸せだ。疲れるけど。

 

 幼い頃に、子どもがわがままを言って親が受け止めてくれるという経験は、とても大事らしい。わたしにはそういう経験がないけれど、ないからこそ大事だとわかる。それがあるからこそ、子どものわがままに直面しても、「ああ自分もこんなだったな」って受け止められるんだと思う。

 

 わたしは今まで、「こんなことわたしは許されなかった、むしろ、こんなふうに幼稚なわがままを言って荒れる大人の父と母をなんとか宥めてきた。わたしの人生ってなんだったんだろう」とこみ上げる怒りに振り回され圧倒されながら4のわがままに対応してきた。だから、受け止められない日もあったし、大きな声を出してしまうことも多かった。

 

 今朝はふと「今まで子どもらしいわがままを言わないままずっと大人たちの世話をしてきた。すごく大変だった。そんな状態でこの4の恐ろしいわがままを聞いているわたし。なんて偉いんだ」と思った。勉強ができるよりもお金が稼げるよりもこれはすごいことなのではないかと我ながら思う。

 

 わたしの父も母も、戦争と貧困の影響で田舎のひどい家庭に育った。重いトラウマがあった祖父母たちは子どもを家畜のように育てたのではないかと思う。それを両親は、わたしにぶつけたんだな。親にされて辛かったことを、全部。それでお互いが結果的に生き延びられたのなら、仕方のないことだったのだと思う。

 

 子どもの頃から、なんでこんなにわたしの両親はわたしに嫌なことばかりしてくるのだろうと不思議だった。なんでこんなに嫌われてしまったのだろう、痩せたら、整形したら、成績が伸びたら、難関資格を取ったら愛してくれるだろうか? でも、わたしが幸せそうだとそれはそれでとても嫌そうだった。

 

 今ならやっとわかる。彼らにとってわたしは精神的な親だったから、家の外に出てほしくなかったし、自分に関係ないところで充実してほしくなかった。何をやっても許されると思っていたから、「やめて」と言うこともやめないし、何度連絡を絶ってもソンビのように追いかけてきたのだった。彼らにとっては好き嫌いを超えた自分の一部であったんだな。だからわたしが彼らを養うことを信じて疑わなかったし、わたしを変に万能視していたんだな。

 

 こういう負の連鎖はわたしのところで終わりにしたい。できそうで嬉しい。

 

 親との関係に悩む10代向けに作られた、すごくいいサイトを見つけた。

me-x.jp

親が監視・束縛してくるとか、兄弟・姉妹で差別されるとか、親のケンカを自分のせいにされる・面前DVとか、親の依存と役割逆転とか、わたしがずーっと悩んでいたことがカウンセラーによって整理されている。こんないい読み物に10代がアクセスできるようになったなんて、いい時代になったと思うけれど、同じように悩んでいる子どもが依然いるという事実が重い。