読むのも書くのも暇な人

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砂糖小さじ20杯/日

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 少し前、こんなニュースがあったのを覚えておられるだろうか。

www.nikkei.com

 1日にとっていい砂糖の量は、健康な成人男子なら小さじ6杯分まで、女性だったら小さじ4杯分まで。でも、砂糖はお菓子だけではなく、市販のスープ、ソースなどありとらゆるものに含まれているので、知らず知らずのうちにオーバーしている。自販機で売っている小さい缶コーヒーには砂糖が小さじ6杯分入っているので、一本ですぐ1日の容量をオーバーしてしまう。

 

 このニュースを最初に知った時はまだたくさんお酒を飲んでいたので、「厚生労働省の示す”節度ある適度な飲酒”の砂糖版みたいなもんだよな」と思っていた。

https://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/kakuron/index.html

これによると、女性なら1日に飲んでいい量は

・ビールなら250ml(コンビニやスーパーに置いてあるプリッとしたちっちゃい缶)

・日本酒なら90ml(半合なのでコップ半分くらい、おちょこなら2〜5杯程度)

・ワインならグラス1杯程度

 

 わたしのイメージとしては、すごくお酒に弱くて普段はあまり飲めない友達が「今日はお祝いだし飲むよ」と言って、顔が赤くなっていつもより楽しそうになる量、という感じなのだ。または、自分がランチのときにちょろっと引っ掛ける程度の量。大酒飲みにとっては誤差の範囲。

 

 だから、砂糖もお酒もほとんどとらないくらいが健康なんだろうけど、そんなの無理だよね、と片付けてしまっていた。でも、どっちも中毒性のあるものだし、砂糖に関しては市販の8割の食べ物に入っているので気づかないうちに「食べないと落ち着かない」ものになってしまっている人がけっこういるのではないか。実際、高校生くらいから30代頭まで、わたしは砂糖中毒だったなと思う。いつもお腹が空いていて、不安とイライラでどうしようもなくなってはキットカットスニッカーズをかじっていた。食事は菓子パンが多かった。野菜はまったく食べる気がしなかった。風邪を頻繁にひいて、アレルギー性鼻炎もひどかった。それで大酒も飲んでいて、「体調が悪い」といつも悩んでいたのだからこっけいである。

 

 妊娠出産子育てを通してやっとまともな食生活に戻れたのはありがたいことだった。元に戻りたくない気持ちと、どうしてこんなことになってしまうんだろうという興味から、食についてのドキュメンタリーはよく見る。先日は、『あまくない砂糖の話』というオーストラリアのドキュメンタリーを観た。この記事が日本向けに大変よくまとまっていた。

www.webdice.jp

 

 日本人の平均が毎日スプーン20杯だったのも驚きだけれど、オーストラリア人は40杯、アメリカ人はもっとその上をいく、、、というのが衝撃だった(よかったら本編をご覧ください)。「自分は砂糖が好きなんです、毎日それだけとっても本望です!」と思って食べているのではなく、「低カロリー」「低脂肪」「オーガニック」「健康食品」と銘打たれている食品にたくさん砂糖が入っているというカラクリ。

 

 そしてもう一つ胸にくるのは、作中でデイモン・ガモー監督が2ヶ月間毎日砂糖40杯生活を始めて、どんどん太って不健康になっていくところ。お肌が目に見えてカサカサして、目がどろんとして、いつもだるそうで、「早くやめて」と思った。

 

 観終わっていっぱい思うところはあるのだけれど、甘いもの全般もそうだし、エナジードリンクとか、ストロング系のアルコールをたくさん飲むことを面白半分でメディアで取り上げるのはもうやめた方がいいなと思う。

 

 砂糖もアルコールもカフェインもみんな嗜好品。ほんの少しで幸せになれるスパイスなのに、生活全般に浸透するスピードも、中毒性も強すぎる。忘れないようにしないと。