血の通った
ちょっと前の話だけれど、10月末〆切のショートショートも応募することができた。今回は本当に机に向かう時間がなくて、シャワーを浴びながら頭の中で考えたお話を1時間くらいで書いてぎりぎりで提出した。
よく創作の本には、「毎日1時間は原稿用紙の前に座って必ず書く習慣をつける」と書いている。「書きたいシーンから書いて書き溜め、いくつかたまったら順番を入れ替えて・・・」などとある。こういう作業を毎日続けていたら確実に長編が書けるだろうから憧れるけれど、わたしにはできないと思う。まず、「このシーンを書きたい」と思わない。それはやっぱり力がないからだろうか。それよりは、テーマが決まっていて、文字数が少なければだいたい何かしら浮かぶ。
今回書いたお話は、いつもどおり暗くて個人的な経験に基づく話なのだけれど、初めて血の通ったものが書けたという手応えがあった。別に誰に読まれなくても評価されなくてもよくて、自分で書いて自分で読んで自分の心が慰められた。完全なる自己完結の文学。小説の神様ありがとう。