読むのも書くのも暇な人

考えていることや読んだものについて書いていきます。

しんどい時に効くマンガ

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 自分たちのことで頭がいっぱいの余裕のない両親に育てられたので、子育てでしんどい瞬間がけっこうある。子どもから目を離さないとか、話をよく聞くとか、大事な存在だよと伝えるとか、今の子育てでは「必須」とされていることが育った過程では逆だった。だから、「これやってもらってなかったな、本当はやってほしかったな、やったことなくて不安だけどやってあげなければ」と頑張ってみるが、虚弱体質なのにウルトラマラソンに挑んでいるみたいな気分なので疲れる。

 

 また、周りには親が近くに住んでいて、すぐに子育てを助けてもらえる人が多い。よその芝生は青く見えるのかもしれないけれど、ヘルプに来る祖父母たちは皆穏やかで自分の子世代と関係がよく、愛情深く育ててきたんだろうなと思う。うらやましいな、と胸がちくちくする。

 

 もともと少ない余裕がいろんなことで削り取られてカラカラになると、怒りが爆発して5に当たり散らしてしまったり、ネチネチネチネチ4と1を叱り続けてしまったりして、あとからズーンと落ち込む。あんなに軽蔑していた両親と、同じことをしている自分が情けなくて涙が出る。そういう時は、たくさん寝て、いろいろ食べて、大事じゃないことは放置して、好きな人と話して、田房永子さんのマンガを読む。

 

www.takeshobo.co.jp

 しんどい母に育てられ、結婚して子どもが生まれてから夫へのキレが止まらなくなってしまった田房さん。ついに警察沙汰になってしまったところ、何回読んでも笑って(読めばわかります)、泣いてしまう。もう自分にとって落語の境地。ゲシュタルトセラピーを受けたくだりから、キレるメカニズムを解説してくれるところがすごくわかりやすくてスッキリする。

 

 

www.daiwashobo.co.jp

 こちらは、自分を傷つけるようにして食べ続けてしまうのはどうしてかを解き明かした本。「太っていてこそ私」という呪いがかかっていたのは私も一緒で、目からウロコが勢いよく飛び出していった。読んだタイミングもよかったと思うのだけれど、長年悩んでいた「自分は醜い」というコンプレックスが薄まるきっかけになってよかった。

 

www.shogakukan.co.jp

 心に抱えた不安をまき散らすことは、汚物をそこら中にばらまくのと一緒。決められた場所で適切に処理して流すにはどうするか、というテーマ。嫌だったこと苦しかったことを流さないで、「自分は傷つけられた。被害者だったんだ」と認めて、癒すことから初めることが大事。これも何回読んでも発見がある。

 

 でも、どんなに頭に血が昇っても、5と4と1と会えない人生を選ばなくてよかったと思うし、一緒にいられるだけで幸せで大好きと言わずにはいられない。父も母もそう思えなかったし言えなかったのだろう。それが彼らの人生で、私の人生は私の人生。かもめはかもめ。