読むのも書くのも暇な人

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ドラマと現実と

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 今年の年明け1月から、5と一緒に『The Sopranos』(邦題:『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』)を全6シーズン見返して、8月15日に最終話までたどり着いた。

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 最初に観たのは2005年かそれくらいだろうか? 5の友人に勧められてすっかり夢中になり、ラストに度肝を抜かれてJourney の Dont Stop Believin’は生涯忘れられない曲になってしまった。

 

 もう一度観ようと思ったのは、ザ・ソプラノズの前日譚ドラマ『The Many Saints of Newark』がHBOで今年公開が決まり、いつ日本に来るかはわからないけれどストーリーを復習しておいて、ウォーミングアップが十分な状態で臨みたいと思ったからだ。

 

 最初に観た時の私たちは新婚だったけれど、今回は子どもを持って中年になり、それぞれの親たちが死んだり病気になったりもした。前回とは違う角度からいろいろなことを感じることができ、心に染みた。特に、主人公トニーの子どもは上が女の子、下が男の子でうちと一緒。さらに、男の子のアンソニージュニアに発達障害があるという設定なので、他人事とは思えなかった。移民であること、カトリックであること、マフィアのボスであること、家族間の葛藤、一生持ち続けるアイデンティティの問題、すべてのテーマが身近に感じられて、本当にすごいドラマだったなと思う。

 

 シーズン最終話は、アフガニスタン戦争が始まるところで終わる。私たちにとって2回目のそれを見届けたその日、2021年8月15日にタリバンアフガニスタンの首都カブールを制圧した。20年の月日の答えを、1日で知ってしまったような気持ちになった。

 

 新聞やニュースで、アフガニスタンから逃げる人々でいっぱいとなった飛行機内部の写真を見て、ドラマ『The Handmaid`s Tale』(邦題:『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』)を思い出す。ドラマの中では女性に対するあらゆる虐待が出て来るのだけれど、どれも創作ではなく、この現実世界で起こったことしか書いていないと原作者のマーガレット・アトウッドは言っていた。

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 アフガニスタンの女性や子どもたちはどうなってしまうのだろう。女性から自由、教育や就労や表現の機会が奪われるだろうことが悲しくて辛くてやりきれない。直接何もできれないけれど、せめてもと思い、毎月ほんの少額、難民支援の募金を始める。私たちがコーヒーとケーキを楽しむような安らぐ時間が、彼女たちにも守られますように。