カブトムシのメスが旅立ってしまった。オスよりもメスが2ヶ月くらい長く生きた。毎晩ひとりで元気に活動しているメスを見ながら「3ちゃん(わたし)は俺が死んだ後の方が楽しく生きられそうだよね」と5がよくつぶやいていた。でも寿命はあったんだな。
一夏いっしょに過ごしたカブトムシご一家とのお別れ、まあまあ寂しいなと思っていたら、土の中にいくつか卵を産んでくれていた。交尾をしているのは見たのだが、ちゃんと子孫を残してくれてたんだ。ありがとう。
5父の死とコロナ禍でどん底まで気力を失った5母も回復してきた。親戚の悪口をまた言い始めたらしい。元気な時はうるさくてしかたなかったそれも、今は生きている証に思える。人間は片割れを失うとこんなにもろくなってしまうんだと教えられた。
わたしはどうだろうか。カブトムシのメスのように何事もなかったように過ごせるだろうか。せいせいすると口では言いながら、毎日めそめそしそうな気もする。そもそも、わたしが後に逝くという保証はない。先のことはわからない。
コクワガタの行方は杳として知れない。