読むのも書くのも暇な人

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まめ夫完走

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 テレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(まめ夫、と呼ぶらしい)を観終わった。お話も、俳優陣も、ファッションも、音楽もすばらしかった。

 

 途中、主人公の親友が突然亡くなる。あまりにも呆気なくて、悲しくて、数年前のことを思い出した。二十歳くらいからずっと憧れていた女性のライターさんも、こんな風に逝ってしまったのだった。彼女だったらこのドラマ評をどう書くんだろうか。読みたかったな。

 

 生前、彼女主催のイベントを思い切って取材したのがきっかけで、SNSで交流するようになった。マイナーな雑誌のSNSだったから人も少なくて、好きな本のこととか、便利そうな機器の話とか、たあいもないことにコメントをくれて楽しかった。もう、彼女は本を出して有名になり始めた時期だったと思う。

 

 そのSNSの閉鎖が決まってメッセージのやりとりをした時、「違う場所で会ってもわかるように、同じハンドルネームで話しかけてね」と言われた。嬉しかった。でも、しなかった。Twitterにもブログにも、多分FBにも彼女はいて、いつでも話しかけるチャンスはあったのに。専門分野のないライターである自分が恥ずかしくて、いつか「これ」と胸を張れる分野ができたら、表舞台の彼女に声をかけよう。そう思って、でも何もしないまま時が流れて、永遠に会えなくなってしまった。

 

 どこにいたって、気にせずに声をかけたらよかったのにと思う。場所や相手の持ち物で態度を変えるような人ではなかったのだから。そんなことをするのは、他でもない私だ。

 

 とわ子のファッションを見ると、彼女の姿を思い出す。ブランドものも、ファストファッションも力強く着こなして、昔の女優さんみたいな上品な顔立ちに、オリエンタルなアイテムが似合った。もっと彼女の書くものを読みたかったし、素敵なお買い物の成果をInstagramで見せて欲しかった。まみさん、何年たってもさみしいし、信じられないよ。

 

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