アリ・スミスの『秋』を読んだ。
アリ・スミスの本はいつも最初は「?」となるのだけれど、
じりじりじわじわ引き込まれていく。
この本も、とても変わった恋の話だ。
主人公の女性は、とてもとても歳の離れた元隣人で今寝たきりの老人を
心のうちでずっと愛している。
年齢とか性別とか立場とかすべて関係なく、
その人の目(”物の見方”という意味かな)がすごく好きで、それを超える愛が見つからない(見つけようもない)という気持ちは、私にもよくわかる。目を見せてくれた人のことは、たった一瞬、たった一言のつきあいだとしても一生忘れられない。