今から30年前、小学4年生の時に一番好きだった本を取り寄せてみた。当時は、視力が下がるから、と母に読書を禁じられていたので、学校の図書館でコソコソと読むしかなかった。家にも学校にも居場所がなくて、江戸屋猫八と水木しげると萩原葉子だけが友達だった。なんという暗い10歳。
小学校を卒業してから初めて手に取ったけれど、全編落語のように笑えて面白い。東京の下町への憧れは、ここからきていたんだな、と気づく。だから、今はお江戸に暮らせて夢が叶った。馬場のぼるが絵を描いていたのもずっと忘れていたのだけれど、4と1が大好きだった「11ぴきのねこ」シリーズの人だった。どうりで懐かしいねこ。
5が10歳の時は何を読んでいたか聞いてみると、H.Pラヴクラフトだそう。海外文学の方がおしゃれっぽくて羨ましいが仕方ない。ローティーンの頃におしゃれな、または難しい文学にハマった経験がないことが長いことコンプレックスだったが、やっとどうでもよくなった。
6歳の4は「りぼん」に夢中で、4歳の1は「動物最強王図鑑」シリーズと現実の区別がついていない。どっちもわたしの趣味は受け継がなかったようで、安心。